リモートワークの仕事で目標を設定するときは、「何を、いつまでに、どの水準まで達成するか」を具体化し、成果と行動の両方に分けて決めます。勤務状況を直接見てもらいにくいため、作業時間の長さではなく、成果物や進み具合で確認できる目標にすることが大切です。
さらに、上司やチームと目標を共有し、定期的に進捗と優先順位を見直すと、認識のずれを防ぎやすくなります。
リモートワークの目標は「成果」と「行動」に分けて設定する
目標は、最終的に達成したい成果と、そのために日々行う行動に分けると設定しやすくなります。
| 種類 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| 成果目標 | 仕事の結果として達成したいこと | 月末までに顧客への提案書を3本完成させる |
| 行動目標 | 成果のために実行する具体的な行動 | 毎週火曜日までに顧客情報を整理し、週2回チームに進捗を共有する |
たとえば「仕事を頑張る」「集中して取り組む」だけでは、達成できたかどうかを判断できません。「何を提出するのか」「何件対応するのか」「いつ確認するのか」まで決めると、本人と上司の双方が進み具合を確認できます。
目標を具体的にする5つの決め方
目標を設定するときは、次の5項目を順番に整理します。
- 何を達成するかを決める
- 成果を測る基準を決める
- 期限を決める
- 実行する行動を決める
- 確認する方法と頻度を決める
1. 何を達成するかを決める
まず、担当業務の中で最も重要な成果を1つずつ洗い出します。会社やチームの目標とつながる内容にすると、優先順位を決めやすくなります。
たとえば営業職なら「新規顧客を増やす」、事務職なら「請求処理を正確かつ期限内に完了する」、Web担当者なら「問い合わせにつながるページを改善する」といった形です。
2. 成果を測る基準を決める
達成したかどうかを判断できるように、件数、期限、品質、処理時間などの基準を加えます。すべてを数値にできない場合でも、完成条件や提出物を決めれば確認できます。
- 記事を月4本公開する
- 問い合わせへの初回返信を原則として翌営業日までに行う
- 月末までに業務マニュアルの初稿を提出する
- 定例会議の前日までに進捗資料を共有する
ただし、数値を設定すること自体が目的にならないよう注意が必要です。件数だけを増やすと品質が下がる仕事では、「誤りの基準」「確認者」「修正回数」なども合わせて決めます。
3. 期限を決める
「なるべく早く」「今月中」といった表現だけでなく、達成日や中間期限を設定します。長期の目標は、週単位や月単位の小さな期限に分けると進捗を把握しやすくなります。
たとえば「3か月後に業務マニュアルを完成させる」という目標なら、1か月目に対象業務の洗い出し、2か月目に初稿作成、3か月目に確認と修正を行うように分けられます。
4. 実行する行動を決める
成果だけでなく、達成のために何をするかも決めます。リモートワークでは周囲から作業の様子が見えにくいため、行動を具体化すると、途中で遅れたときに原因を見つけやすくなります。
- 毎週月曜日に今週の優先業務を3つに絞る
- 作業開始時にタスク管理ツールへ予定を登録する
- 判断に迷う点は、抱え込まずに当日中に確認する
- 週末に予定と実績の差を振り返る
5. 確認方法と頻度を決める
目標を設定したら、どの資料や連絡手段で進捗を確認するか決めます。たとえば、タスク管理ツール、週次の報告、チャットでの簡単な共有、定例ミーティングなどを使います。
確認の場では、単に「順調です」と伝えるのではなく、次の3点を共有すると状況が伝わりやすくなります。
- 完了したこと
- 次に行うこと
- 困っていること、判断が必要なこと
リモートワークで使いやすい目標の例
目標は職種や役割によって異なりますが、次のように「成果・期限・確認方法」を含めると具体的になります。
| 職種・業務 | あいまいな目標 | 具体的な目標の例 |
|---|---|---|
| 営業 | 営業活動を頑張る | 今月中に見込み顧客へ20件提案し、毎週金曜日に対応状況を共有する |
| 事務 | 正確に処理する | 毎月の請求処理を締切日の2営業日前までに完了し、処理後にチェックリストで確認する |
| カスタマーサポート | 早く返信する | 担当する問い合わせを確認し、対応状況を毎日更新する。返信が翌営業日以降になる場合は理由と予定日を記録する |
| 企画・マーケティング | 成果の出る施策を考える | 今月中に施策案を3案作成し、目的・対象者・確認する指標を付けて会議に提出する |
| 在宅での学習・スキル向上 | 専門知識を身につける | 3か月以内に業務に関係する教材を最後まで学び、学んだ内容を使った成果物を1つ作成する |
上の例は一般的な設定例です。実際に使うときは、会社の評価基準、担当範囲、使える時間、チームの締切に合わせて調整してください。
目標が高すぎる、または低すぎるときの調整方法
目標は、簡単すぎて成長につながらないものでも、現実的に達成できないものでも適切ではありません。設定時には、通常業務に使える時間と、他の業務・会議・突発対応に必要な時間を考慮します。
高すぎると感じた場合は、次のように調整します。
- 期限を分けて中間目標を作る
- 成果物の範囲を明確にする
- 優先順位の低い作業を後回しにする
- 必要な人員、情報、権限があるか確認する
反対に、低すぎると感じた場合は、品質基準を加えたり、改善や共有まで含めたりします。たとえば「資料を作る」だけでなく、「関係者の確認を受けて修正し、次回から使えるテンプレートとして保存する」といった形です。
目標設定でリモートワーク特有の条件を確認する
リモートワークでは、オフィス勤務と比べて、質問や相談のタイミング、情報共有の方法、作業の優先順位がずれることがあります。そのため、目標そのものだけでなく、仕事を進める条件も決めておくと安心です。
成果物の完成条件を確認する
「完成」と呼べる状態が人によって違わないように、提出先、形式、必要な確認者、修正の範囲を決めます。資料ならファイル形式やページ数だけでなく、誰の確認が必要かも確認します。
連絡や相談のルールを決める
緊急の連絡はチャット、詳しい相談はオンライン会議など、内容に応じた手段を決めます。返信が必要な連絡には、期限や「確認のみでよい」といった情報を添えると、相手が判断しやすくなります。
勤務時間と作業時間を混同しない
リモートワークでは、パソコンの前にいた時間だけで成果を判断するのではなく、担当業務の結果と進め方を確認することが重要です。ただし、会社の勤務時間や休憩、連絡可能な時間帯などのルールは守る必要があります。
目標は定期的に見直す
目標は一度決めたら固定するのではなく、状況が変わったときに見直します。依頼内容の変更、優先業務の追加、必要な情報の遅れなどがあれば、当初の期限や範囲が適切でなくなることがあるためです。
見直しでは、次の順番で確認します。
- 当初の目標と期限を確認する
- 現在までに完了した内容を整理する
- 遅れや変更の原因を分ける
- 期限、範囲、優先順位のどれを調整するか決める
- 変更内容を上司や関係者に共有する
自分の作業が遅れている場合だけでなく、他の人からの確認待ちや、前提条件の変更で進まない場合もあります。原因を分けて伝えると、必要な支援やスケジュール調整につながりやすくなります。
すぐに使える目標設定のテンプレート
次の項目を埋めると、リモートワーク用の目標を作成できます。
- 達成したい成果:____
- 達成期限:__年__月__日
- 達成の基準:____
- 実行する行動:____
- 中間期限:__年__月__日
- 進捗を確認する方法:____
- 確認する頻度:毎日・毎週・その他____
- 必要な支援や確認事項:____
記入したら、上司やチームの目標と重なっているか、期限と作業量が現実的か、達成条件を第三者が見ても判断できるかを確認します。
リモートワークの目標は、成果、期限、達成基準、行動、確認方法まで具体化することがポイントです。まずは現在担当している仕事から重要な成果を1つ選び、いつまでに何を完成させるのかを書き出してください。そのうえで、進捗を共有する日時と方法を決めると、離れた場所で働いていても目標を管理しやすくなります。







