リモート勤務の試用期間は出社が必要?

リモート勤務の試用期間は出社が必要?

リモート勤務の試用期間でも、必ず出社しなければならないわけではありません。出社が必要かどうかは、雇用契約や労働条件通知書、求人票に書かれた勤務場所・勤務形態と、会社から示された試用期間中の条件によって決まります。リモート勤務でも、研修や業務の引き継ぎだけ出社を求められる場合はあります。

試用期間だから出社が必要になるわけではない

試用期間とは、会社が勤務態度や能力などを確認するための期間です。試用期間であることだけを理由に、通常の勤務場所が自動的に出社へ変わる決まりはありません。

入社後の勤務場所が「原則リモート」「完全在宅勤務」と合意されているなら、試用期間中もその条件が基本になります。一方で、「試用期間中は出社」「研修期間のみ出社」「必要に応じて出社」といった条件が示されている場合は、出社が必要になる可能性があります。

試用期間中に出社を求められる主なケース

リモート勤務の会社でも、次のような理由で試用期間中の出社を求めることがあります。

  • 会社や業務の進め方を説明する研修がある
  • 上司や担当者から対面で引き継ぎを受ける
  • パソコン、入館証、書類などを受け取る
  • 対面での面談や勤務状況の確認を行う
  • 個人情報や機密情報を扱うため、社内での作業が必要になる

ただし、これらが必要かどうかや、出社する日数・期間は会社によって異なります。「研修がある」とだけ説明され、出社の頻度や期間が分からない場合は、入社前に具体的な条件を確認しましょう。

まず確認する書類と記載内容

出社が必要か判断するときは、次の資料を見比べます。求人票だけでなく、採用通知や労働条件通知書、雇用契約書に書かれた内容を優先して確認してください。

確認する項目 見るポイント
勤務場所 自宅、会社、支店、その他の場所がどのように記載されているか
勤務形態 完全リモート、原則リモート、在宅勤務可などの表現か
試用期間の条件 試用期間中だけ勤務場所や勤務時間が変わる記載があるか
出社の頻度 毎日、週何回、研修期間のみ、必要時のみなどの条件があるか
交通費・出社費用 出社時の交通費や、遠方からの移動費の扱いが示されているか

「在宅勤務可」は、必ず在宅勤務になるという意味ではなく、会社が認めた場合に在宅勤務できるという意味で使われることがあります。一方、「フルリモート」「完全在宅」などの表現でも、研修や例外的な出社条件が別に定められている場合があるため、条件全体を確認することが大切です。

出社条件があいまいなときの確認方法

入社前に、次の点をメールなど記録に残る形で確認すると、後から条件が食い違うのを防ぎやすくなります。

  1. 試用期間中の通常の勤務場所が、自宅か会社かを確認する。
  2. 出社が必要な場合は、開始日、期間、頻度、1回あたりの勤務時間を確認する。
  3. 研修や面談以外にも、出社を求められる可能性があるか確認する。
  4. 出社時の交通費、宿泊費、機器の受け取り方法を確認する。
  5. 求人票や面接時の説明と異なる場合は、どの条件が正式なものか確認する。

たとえば、「リモート勤務と伺っていますが、試用期間中も通常業務は在宅勤務でしょうか。出社が必要な場合は、期間と頻度、交通費の扱いも教えてください」と尋ねると、確認したい点をまとめて伝えられます。

「完全リモート」と聞いていたのに出社を求められた場合

採用時に完全リモート勤務と明確に説明され、雇用契約などにもその条件が示されている場合、試用期間だけ一方的に毎日出社へ変更できるかは、契約の内容や変更の経緯によって判断が分かれます。すぐに無断欠勤や内定辞退と判断せず、まずは会社へ変更理由と適用期間を確認してください。

反対に、求人票に「在宅勤務可」としか書かれていない場合や、面接時に「入社直後は出社研修がある」と説明されていた場合は、出社を求められる可能性があります。求人票の印象だけでなく、最終的に合意した労働条件を確認することが重要です。

出社を断る前に確認したいこと

出社条件が契約や就業規則に定められている場合、自己判断で出社を拒否すると、勤務態度や契約上の義務について問題になる可能性があります。出社が難しい事情があるときは、理由を伝えたうえで、オンライン研修や別日程などの代替案を相談しましょう。

会社の説明と契約書の内容が明らかに異なる、遠方への出社を突然指示された、出社条件について話し合っても解決しないといった場合は、労働条件通知書やメールの記録を整理して、労働相談窓口や専門家への相談を検討してください。

試用期間だから必ず出社、ということではありません。「試用期間中の勤務場所」「研修時だけの出社か」「出社の頻度・期間」「費用負担」を、雇用契約や労働条件通知書と照らし合わせて確認するのが最初の一歩です。