在宅勤務の転職で時短勤務を利用する条件は?

在宅勤務の転職で時短勤務を利用する条件は?

在宅勤務の転職で時短勤務を利用できるかは、法律上の制度を使えるかと、転職先が独自に定める制度を使えるかで決まります。在宅勤務だから自動的に時短勤務になるわけではなく、時短勤務だから在宅勤務もできるとは限りません。

子どもが3歳未満で一定の条件を満たす場合は、転職先でも育児短時間勤務を利用できる可能性があります。ただし、勤務先の労使協定による対象外条件や、在宅勤務の対象職種・勤務日数などは別に確認が必要です。

在宅勤務と時短勤務は別々に確認する

在宅勤務は「働く場所」の制度、時短勤務は「働く時間」の制度です。求人票に「在宅勤務可」と書かれていても、1日8時間の勤務が前提なら、時短勤務が認められるとは限りません。

確認する制度 主な内容 確認すること
在宅勤務・テレワーク 自宅などで勤務する制度 対象職種、出社頻度、利用開始時期、申請条件
育児短時間勤務 育児を理由に所定労働時間を短くする制度 子どもの年齢、対象外条件、勤務時間、申請期限
会社独自の時短制度 育児や介護、治療などを理由に会社が設ける制度 利用理由、対象者、利用期間、給与や評価への影響

そのため、転職前には「在宅勤務ができますか」だけでなく、「育児短時間勤務を利用した場合でも在宅勤務できますか」と分けて質問することが重要です。

法律上の育児短時間勤務を利用できる主な条件

育児・介護休業法上の育児短時間勤務は、原則として3歳に満たない子を養育する労働者が対象です。正社員に限られる制度ではなく、一定の条件を満たす有期雇用労働者も対象になり得ます。

制度の基本的な内容や対象者については、厚生労働省「育児・介護休業法について」で確認できます。

ただし、次のような条件によって利用できない場合があります。

  • 日々雇用される労働者に該当する
  • 勤務先の労使協定で定められた対象外条件に該当する
  • 会社の制度上、対象となる勤務日数や雇用形態の条件を満たさない
  • 子どもの年齢が制度の対象期間を過ぎている

対象外条件の扱いは、法改正や会社の労使協定によって変わることがあります。転職先の就業規則だけでなく、育児短時間勤務規程と労使協定の対象者も確認してください。

転職すると育児短時間勤務の条件はどうなるか

転職すると雇用主が変わるため、前職で使っていた時短勤務をそのまま引き継げるとは限りません。原則として、転職先の制度と、転職先での雇用条件を基準に利用可否を判断します。

一方で、転職したことだけを理由に、法律上の育児短時間勤務の対象から外れるわけではありません。転職先で対象条件を満たしているか、労使協定による除外に該当しないかを確認します。

特に次の点は、内定承諾前に確認しておくと安心です。

  • 子どもの年齢が、入社時点と利用開始時点で対象になるか
  • 試用期間中も短時間勤務を申請できるか
  • 入社直後の労働者に適用される除外条件があるか
  • 週の所定労働日数や雇用契約期間が対象条件を満たすか
  • 短時間勤務の申請期限と、申請先がどこか

「入社してから相談する」と、勤務時間や保育園の送迎に影響が出るおそれがあります。面接や内定後の条件確認では、利用希望を早めに伝え、書面で確認しましょう。

在宅勤務も利用するために確認する条件

時短勤務を利用できても、在宅勤務が認められるかは別の判断になります。次の条件を具体的に確認してください。

確認項目 質問の例
対象職種 この職種は在宅勤務の対象ですか
出社頻度 週何日、月何日まで出社が必要ですか
利用開始時期 入社直後から利用できますか。試用期間中も対象ですか
時短勤務との併用 短時間勤務の日も在宅勤務できますか
勤務時間帯 始業・終業時刻を固定する必要がありますか
業務上の制限 会議、研修、顧客対応の日は出社が必要ですか
変更手続き 在宅勤務の頻度や時短勤務の時間を変更できますか

たとえば「在宅勤務は週3日まで」「入社後3か月は出社」「月曜日は全員出社」というルールがある場合、時短勤務と組み合わせると保育園の送迎に対応できないことがあります。求人票の「リモート可」だけで判断せず、実際の勤務パターンを確認してください。

会社独自の時短勤務は条件が異なる

子どもが3歳以上の場合や、育児以外の理由で時短勤務を希望する場合は、法律上の育児短時間勤務ではなく、会社独自の制度を利用することがあります。

会社独自の制度では、たとえば次のような条件が定められていることがあります。

  • 小学校卒業までなど、対象となる子どもの年齢
  • 勤続年数や雇用形態
  • 週の所定労働日数
  • 1日の短縮時間や選べる勤務時間帯
  • 利用できる期間や更新回数
  • 育児、介護、通院などの利用理由

会社独自の制度は、法律上の最低基準より手厚い場合もあれば、対象者や利用期間が限定されている場合もあります。求人票に「時短勤務制度あり」と書かれていても、誰でも、いつでも利用できるとは限りません。

転職活動中に確認する順番

転職先で在宅勤務と時短勤務を併用したい場合は、次の順番で確認すると条件の見落としを減らせます。

  1. 希望する働き方を具体化する。「1日何時間働くか」「何時から何時までか」「週何日在宅にしたいか」「出社できる曜日はいつか」を決めます。
  2. 求人票の制度名を確認する。「在宅勤務可」「フレックスタイム制」「育児短時間勤務」など、別々の制度として記載されているかを見ます。
  3. 面接や応募書類で利用希望を伝える。採用後に初めて伝えるのではなく、業務上の制約とともに希望する勤務形態を説明します。
  4. 内定後に労働条件を書面で確認する。始業・終業時刻、所定労働時間、出社頻度、在宅勤務の対象期間を確認します。
  5. 入社前に制度の申請方法を確認する。申請期限、提出書類、承認者、利用開始日を人事担当者に確認します。

伝えるときは、「子どもの送迎があるため時短にしたい」だけでなく、「勤務可能な時間帯は9時から16時、在宅勤務は週3日を希望し、月2回程度の出社には対応できる」のように具体化すると、会社との認識を合わせやすくなります。

給与・評価・社会保険への影響も確認する

時短勤務では、実際の労働時間が短くなる分、基本給や時間給、固定手当などが変わることがあります。給与がどのように計算されるかは、雇用契約書や就業規則で確認してください。

また、在宅勤務手当、通勤手当、残業の扱い、賞与や評価への反映方法も会社ごとに異なります。時短勤務を利用した場合の月額給与を確認する際は、次の項目を分けて見ることが大切です。

  • 基本給が勤務時間に応じて減額されるか
  • 固定手当や在宅勤務手当が支給されるか
  • 時間外労働や所定外労働の扱い
  • 賞与・昇給・評価への影響
  • 社会保険料や税金の変化

具体的な手取り額は、給与額、勤務時間、手当、社会保険の条件によって変わるため、求人票の年収だけで判断せず、時短勤務後の賃金条件を確認しましょう。

確認すべき質問をまとめると

転職先に確認する際は、次のように質問すると、在宅勤務と時短勤務を併用できるか判断しやすくなります。

  • 育児短時間勤務の対象者と、労使協定による対象外条件は何ですか
  • 入社直後や試用期間中でも利用できますか
  • 希望する勤務時間帯で契約できますか
  • 短時間勤務と在宅勤務は同じ日に併用できますか
  • 在宅勤務の頻度、出社日、対象業務は決まっていますか
  • 申請期限と、入社前に提出する書類は何ですか
  • 時短勤務後の給与、手当、評価の扱いはどうなりますか

結論として、在宅勤務の転職で時短勤務を利用できるかは、子どもの年齢などによる法律上の対象条件、転職先の労使協定、会社独自の制度、在宅勤務の運用ルールで決まります。まずは希望する勤務時間と出社頻度を具体化し、内定承諾前に両方の制度を同時に利用できるか、書面で確認してください。